命について

 最近、命について、ある考えがまとまった。
 それは、命は個人個人のものではなく、社会全体のものであるということだ。
 人間は生まれてから歳を重ね、死ぬまでの間に、誰の助けもなく一人だけの力で一生を終える人はいない。
 人間は、生まれた時は誰もが寝たきりで、周りの人たちに育てられ、成長していく。
 また人間は一人では生きていけないから、集団を作って生きている。それが社会だ。
 その社会の中で人間は、またいろんな集団を作り、いろんな役割分担をしながら生きている。職業や役職や立場がそれに当たる。
 そう考えてみると、人間は一人では生きていけない弱い存在だということが明らかにわかるだろう。ここには障害のあるなしは一切関係がない。つまりは、人間は社会の中で生きている以上、お互いに支え合いながら、助け合いながら生きているということになる。
2年前の7月26日に相模原市で起こされたやまゆり園での殺傷事件についてのN氏の論文の中に「命は誰のものか」という問いかけがあったのだが、それをを読み、この気付きのきっかけになったのだが、他にもこの考えに至った理由がある。それはヘルパーさんに介助してもらっている時に、介助をしてもらいやすいように、身体を動かしたりとか向きを変えたりとか自分のできる範囲でやるのだが、その時にヘルパーさんが「ありがとうございます」とお礼を言われることが多々あるのだ。してもらっているのはこっちのほうなのにだ。
 そうすると、命とは、人と人が生きる営みをの中に有り、人と人とのつながりの中にあるのではないかと思う。