仕事と役目

 昔から日本では所謂「労働」のことを「仕事」と言ってきた。
少なくとも(戦前までかな?)仕事は社会のためにするものだったと聞いたことがある。そして、それは「役目」として使命感をもってしていたのだろうと思う。社会全体がそういう意識で動いていたので、「お国のため」といった国民が一体となった天皇制を基盤としたファシズム体制が確立しやすかったのだろうと思う。
 今はというと、仕事は「まずは自分のためにするもの」というのが大半の人が思っていることだと思う。これは、日本が西洋の「労働」観を取り入れたことに起因すると思うが、この価値観が個人主義の現代を作っているものだと思う。
 で、何が言いたいのかというと、「みんなが居て自分が居るし、自分が居てみんなが居る」ということ。
 仕事も確かに自分の生活のためにせざるを得ないという側面はあるが、それはやはりその仕事を必要とする人がいるからできることで、必要でないものは「金を払ってまでも要らない」ということになり、職業として成立しない。だからそこには使命感も当然出てくるだろうし、責任感も出てくると思う。だが、それが過ぎると自己満足になってしまうかもしれないが。
 しかし、今の時代、「お国のため」ということではなく、「世の中のため」という意識が、統一宗教国家ではない日本人の意識には根付きやすいのではないかとオレは思う。