頭はやわらかく

 「この世に決まったことは無い」というか、「これはこうでなければいけない」と思い込んでいることが多いと思う。つまり難しい言葉で言うと、人は固定観念を持ってしまうものであるということ。
 前置きはここまでにして。
 日常生活の中で、オレの体を動かしてもらう時、なるべく負担の少ないやり方でやってもらおうと思っている。
 例えば起き上がる時、今までは仰向きの状態から起こしてもらっていたが、ある時、あるヘルパーさんがちょっと変わった起こし方をしてくれた。「あぁ〜!これは起こしてもらい易い!」と思った。他のヘルパーさんにもやってもらおうと思ったとき、「そうだ!横向きから起こしてもらったら起こしてもらい易いぞ!」と思った。これは個人的な“小さな発見”なのだ!
 オレらの子どもの頃は例えば「冷蔵庫は白いもの」という常識があった。白い冷蔵庫しか見たことがなかったからだ。こういうことはよくあると思う。
 だから2本足で歩ける人間が正しい人間の形だというのも障害者が身近に居なければ当たり前の思い込みだと思う。
 ちなみに、オレが横を向いて起こしてもらうのも、ヘルパーさんによって、前から起こす人、後から起こす人、はたまた跨いで起こしてくれる人それぞれだ。同じ事をやってもらうときも、人それぞれだということは、人それぞれの違い性を認めるということであり、それが人間であるということであり、頭は常にやわらかくしておきたいということだ!